Roo's Labo

腕時計、ラーメン、読書、美術、ときどき仕事

歯医者の英語・モノクルマガジン

先日歯茎に痛みを感じ、歯医者を受診した。先生の到着が遅れているとやらで予約の時間より45分待たされた末(英国あるある)、診療室で待っていたのはインド系と思しき若い男性歯科医だった。てっきり日本語がわかる先生が出てきてくれると思って一瞬度肝を抜かれたが、英語で自分の状況を説明しようと努めるも言葉が出てこない。結局、

"pain here."(歯茎を指差す)

"OK.  Does it hurt when drinking hot/cold drinks?"

"No. only when I touch here"(首を横に振りながら)

といった中学英語しか出てこない。とはいえ、大きな問題はないこと(歯を支える骨が手前に隆起していて歯茎が薄くなっているので触ると痛みがある)なので、様子を見ることにした。初めて外国で歯医者にかかったけれど、自分の痛みや症状を英語で説明するのは想像以上に大変だと感じた。

TESCOの店頭で見かけ手にとったモノクルマガジン。スタイリッシュな表紙に惹かれたが、欧州地方都市の先進的な取り組みが紹介されていて面白い。政治・経済のトピックもあるが、The Economistほどカタくなく、あくまで地に足が着いていて、それでいて将来視点なところが好感を持てる。しばらく買ってみて、良ければ購読も考えよう。

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この表紙とてもカッコよくないですか・・・。

 

 

 

 

守島基博『人材マネジメント入門』

ついに出会ってしまった・・・。企業人事に携わる人であれば必読・必携ではないかと思わせる究極の一冊だ。

著者はアメリイリノイ大学で博士号を取得した人事・労働政策を専門とする大学の教授で、おそらく企業での勤務経験はない。にもかかわらず、ブログ主の働く企業を見てきたのではないかと言わんばかりに現場の課題を指摘し、平易な言葉であるべき姿を説く。そのプロセスが本質を捉えていると思わせるものばかりなので、思わず「そうなんだよな」と一人膝を打ちながら読み進め、いたるところをブックマークし、メモを取った。

章立ては以下の通り。

  • 人材マネジメントとは何か
  • 人材を獲得する
  • 人を育てる
  • 人材を評価する
  • 人材を処遇する
  • 人材を動かす
  • 人材を尊重する
  • 人材を組み合わせる

この一冊で、入口(採用)から出口(退職)、評価・異動・育成と人事の主要分野について基本(根本にあって大事なものという意味)の考え方を学ぶことができる。著者の考えに賛同するにせよ、そうでないにせよ(ブログ主はかなり賛同するところが多かった)、企業人事担当者が施策を考えるにあたっては、意義あるベンチマークとして常に参照する価値がある一冊だと思う。座右の一冊として、羅針盤のように活用していきたい。

 

伊波和恵, 髙石光一, 竹内倫和『マネジメントの心理学』

組織・産業心理学の基本的なコンセプトを、説明する概要書。良い点は、多岐にわたるトピックをカバーし全体像に触れられること。章立ては以下の通り。

  • 働くということ
  • 採用と就職
  • 組織と私
  • リーダーシップ
  • ワーク・モチベーション
  • コミュニケーション
  • キャリア発達
  • 人事マネジメント・教育研修
  • 企業
  • 経営革新心の健康
  • 働く環境の質

各章の冒頭には、一人の主人公の職業人生を追った簡単なケーススタディがついていて、導入を手助けしてくれる。

一方で、内容がどうしても入門的で物足りない。実務経験のない学部生や人事部に最初に配属された20代前半向けで、一定の実務経験があって具体的な課題が見えている場合は、参考文献で挙げられているような専門書にあたるのが良いだろう。

 

4歳児が図書館で借りて楽しんでいる英語の本3冊

週末に図書館に寄って以下の本を借りた。今までは、日本語の本しか借りていなかったが、英語の本を読めると選択肢が一気に広がることに気が付いた。借りたのは以下の本。いずれも平易な英語で親も含め読みやすい。今は英語を音読し、すぐに日本語に大意を訳して次の文章に進むということを行っている。英語のまま理解出来たらそれは素敵なことである。

ネタバレになるので書けないが、Supertato(ポテトのスーパーヒーロー)の絵本は、オチが強烈でびっくりした。このロジックは大人でも中々実践できないと思う。

追記 娘の英語語彙は少しずつ増えている。Stand up, here, hot milk please, scary, dinasaur など。あたりまえだけど見聞きしたり生活で必要な単語から見についていく模様。カタカナを介さず聞いたものを発音しているようで、親よりも発音がよく感じる(またも親ばか)。

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捉え方の違い

娘が学校で『アナと雪の女王ごっこをしたという。なんの役をやったのと尋ねたところ、オラフ(雪だるまのような道化のキャラクター)という。娘は家で両親を相手にごっこ遊びする時は大抵エルサ(主役の一人でいわゆる雪の女王)の役をやるので、てっきりエルサになりたかったのかと思い、エルサの役は誰がやるのと聞くと、「知らない」と首を振る。名前を知らないわけないと思うので(なぜならハンス王子役の男の子の名前は覚えているから)悔しかったのかなと勝手に思った。娘は8月生まれの翌月9月入学だから、同じクラスの他の子より頭ひとつ分くらい小さい。身体的な小ささや語学のディスアドバンテージが発言力の低下になり、主役ではない(失礼)道化役を演じる娘がいじらしい。だがこれが世間の厳しさで、常に自分の主張が通るわけではない。それを4歳で学ぶとは偉いと親バカを全開にして勝手に思った。

この話を妻にしたところ、ごっこ遊びができるほど仲間に入れて良かったじゃないという。なるほど確かにそういう捉え方もある。物事はいろいろな見方があるという月並みな結論であった。

 

 

 

雨のち晴れ

娘が現地の学校に通い始めて一週間ちょっと。最初の週は、昼食後13時30分には帰宅するならし期間で、大きなトラブルなく1週間通うことができた。今週月曜からは、フル(といっても15時過ぎまで)の時間となって心配していたのだが、火曜朝になって学校に行きたくないと大泣きしたため登校を断念、一日たった本日水曜は無事(といっても朝ぐずっていたが)下校時間まで過ごすことができた。どうして火曜日にあれほど強く行きたくないと泣いたのか理由はよくわからない(先生の話では、クラスの子どもたちとトラブルになった様子はないようだ)。慣れない外国で、知らない言葉で過ごすのだからどんなに心細いことだろう。小さな身体で頑張っているのだから、娘の状況に寄り添いつつ、応援していきたいと思う。

今日は、英語で1から5まで数えることができた。また、ミルクが欲しいと英語で親に伝えてくれた(I want milk.)。日曜に買ったキッズスクーターは気に入ったようで、夕食後も練習している。その成果か曲がりたい方向に体重を傾けることでカーブを曲がる技術を身につけつつある。

 

 

コミュニケーションを絶やしてはいけない

今日は仕事でとても頭にくることがあった。あるトラブルについて、こちらの対応が悪いと名指しで非難されたのだが、過去の経緯・連絡の履歴を調べるとこちらに落ち度はなさそうだ。その点を指摘すると、お互いの誤解が解けてよかった、大事なのはこれから前に進むことだと相手はいう。もちろん、案件を前に進めることが重要なのだが、最初に大勢の前で不当なそしりを受けたモヤモヤは解消しない。一言謝罪があればよいと思うのだが、決してそれをしない(代わりに周囲の人と状況を責任転嫁する長文メールが続く)。

こういう時に思い出すのは、昔読んだ松本大さんの『私の仕事術』だ。冒頭で松本さんが、コミュニケーションとカンバセーションの違いを明快に語られていて、ハッとした。以来この本は手元にあって、折に触れて読み返している。関連する箇所を引用すると以下のように続く。

コミュニケーションとカンバセーションは、まったく違います。言葉を使うという点では同じですが、コミュニケートというのは、会話をすることではなく、目的をもって結果を出すことです。

自分の意志や考えを相手に伝え、理解してもらう、同時に、相手の言いたいこと、考えていることを取り出し、それを理解することです。

ちゃんと目的意識を持ち、お互いに真意をきちんと伝え、あるいは、受け取って、その上で何らかの結論を必ず出す、それがコミュニケートであって、単に会話をする、情報交換をするのは、カンバセーションなのです。

松本さんは他にも、たとえ分かり合えないとしてもコミュニケーションを取り合うことは、コミュニケーションを閉ざすよりずっと良いと書かれていた。今日のやり取りを思い返すたびに、決して分かり合えないと思うけれども、コミュニケーションだけは絶やさずに仕事をしようと思った。