Roo's Labo

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21世紀のキャリア 想定外変化と専門性分化深化時代のキャリア

『人材マネジメント論』に続いて読んだ。冒頭の時代認識・問題意識がクリアで、腑に落ちた。

21世紀のキャリアとはどのようなものか。
想定外変化によって生じる予期せぬキャリアチェンジと、専門性の細分化深化、この2つが同時進行するのが21世紀のキャリア環境の特徴である。20世紀のキャリア環境とは大きく異なる。

専門性と普遍性という二大テーマを、自分らしくどう組み合わせてキャリアを切り開いていくかが重要である。専門性を深めなければいけないが、想定外変化が起きても通用するような普遍性の高い成長もしなければならない。これが大きなメッセージである。

高橋先生が挙げているのは日産自動車の事例(ある日突然経営陣がフランス系に変わり、今まで出世コースだった北米の位置づけや社内のキャリアパスが激変する)。自分の限られた経験から見ても、薬品の研究手法の劇的な変化で、それまでの知見が通用しなくなる事例など、外的環境が急に変化する時代というのは納得感がある。

そうした環境で自分らしいキャリアを切り開くために必要な行動が、10のキャリアコンピテンシーとして、以下の通り整理されている。

  1. 主体的ジョブデザイン行動
    - 自分の価値観やポリシーを持って仕事に取り組んでいる
    - 社会の変化、ビジネス動向について自分なりの見解をもっている
    - 部署・チームを超えて、積極的に周囲の人を巻き込みながら仕事をしている
    - 仕事の進め方や企画を立てる上で、今までの延長線上のやり方ではなく、自分なりの発想を持って取り組んでいる
    - 自分の満足感を高めるように、仕事のやり方を工夫している
  2. ネットワーキング行動
    - 新しいネットワークづくりに常に取り組んでいる
    - 自分のネットワークを構成する個々人がどんなニーズを持っているか把握し、それに答えようとしている
    - 自分の問題意識や考えを社内外のキーパーソンに共有してもらうようにしている
  3. スキル開発行動
    - 今後どのようなスキルを開発していくか、具体的なアクションプランを持っている
    - スキル・能力開発のために自己投資をしている。

自分としては、特にネットワーキング行動が課題。ここは徐々になれていくしかないかもしれない。

課題意識の鮮明さやキャリアコンピテンシーの部分は興味深いが、高橋氏の他の著作でのエピソードと同じような事例の使い回しが多く、新鮮味にかけるのが残念。