Roo's Labo

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ロンドン西洋美術史講座ー「ヨーロッパの街と美術館②: イタリア(後編)」

随分時間が経ってしまったが、10月4日の日曜に笹山美栄先生によるロンドン西洋美術史講座ー「ヨーロッパの街と美術館②: イタリア(後編)」に参加した。コロナの影響を受けてオンライン(zoom)での開催であった。90分という限られた時間のなかで、フィレンツェとローマを中心にルネッサンス期の代表的な絵画や彫刻とその背後にある様々な人間ドラマ、さらには美味しいレストランやおすすめのホテルまで紹介してくれる充実した内容で、あっという間に時間が過ぎ去ってしまう充実した時間を過ごした。

個人的には、メディチ家の最後の当主が、美術品をフィレンツェ市に寄贈する代わりに、一般に公開することを条件とした(そうすれば世界中の人々が優れた作品を見に訪れることで、フィレンツェが芸術の都として永遠の繁栄を続ける)エピソードや、礼拝堂の扉の彫刻を手掛けるコンペに負けたブルネレスキが後に建築家として大成した話など、時代を超えた慧眼や人間万事塞翁が馬を地で行くような話が特に印象に残っている。

笹山先生については、詳しく存じ上げないが、「美術史」にとどまらず生の、生きた街の知見と歴史的な知識が縦横に融合していて、すごい方だと思った。自分の専門分野については、このように語れるようになるといいなあ。