Roo's Labo

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西川善文『仕事と人生』

新聞の広告に大きく掲載されていて*1興味を惹かれた本。

仕事と人生 (講談社現代新書)

仕事と人生 (講談社現代新書)

 

結論から言うと、読んでよかった。私は社会人生活10年を超えるているが、著者の常に本質を捉え、合理的に判断し、迅速に実行する姿勢は本書で一貫していて、目からウロコが落ちる思いだった。自分の仕事のやり方を見直そうと思ったし、著者による回想本もKindleで注文した。

全体がどうであるかを把握し、その中でどの木が重要かを判断する。これもシンプルに考えるための一つの手法。

つまり、「本当に必要なこと」だけをピックアップしてつなぐことで、プロセスは大きく削減できる。「スピードを早くする」ということは「大事なことを選び出す」ということでもある。 

失敗のない人などいないという当たり前の現実を肝に銘じ、傷口に塩を塗るようなことはせずに、失敗は失敗として認めさせながら立ち直らせる。これが上に立つものの責務である。

当時、私がやったことを後になって考えると、「日本の産業構造が変わる過渡期に、時代の流れを先取りしながら融資先を再編した」ということになる。もし、あの時期に貸出先を変えず、繊維関係を中心としたままだったら、オイルショックの時点で住友銀行債務超過になったであろう。 

 来たるべき未来を想像して、そのための準備をするというのが仕事の本質の一つだと思う。

「相手の会社の属する業界の現状」「そこでその会社がどういうポジションにあるのか」「公開されているデータはきちんと頭の中に入れておく」の三つを最低ラインとして考えればいいだろう。

*1:一応、英国に来てまで日経新聞(電子版を購読している。年間5万円は安くない