Roo's Labo

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Netflix Documentary "Harry & Meghan"

この年末年始はメールを開かず、作業もせず文字通り仕事を忘れてリラックスすることができた。そんな中観たのが以下のドキュメンタリー。

www.netflix.com

2人の出会いから、結婚、王室からの離脱と現在の生活までを、当事者の2人や彼らの知人・友人へのインタビュー等を通じて描いている。英国で生活してはいるものの、王室メンバーの名前さえおぼつかない程度(要するに前提知識ゼロ)でみても筋が終えるくらい平易に構成されている。

HarryとMeghanが王室から離脱するまでの経緯は、以下3つが耐え難く、家族を守るためのやむを得ない選択であるとして説明される。

  • メディアスクラム(Harryの子供時代にとどまらず、生前のダイアナ妃に対しても苛烈に行われたことが示唆されている)
  • 人種問題(Meghanの母がアフリカ系アメリカ人であることが、王室メンバーや英国マスコミから好意的に受け止められなかったというスタンス)
  • 王室という伝統ある組織と外から嫁いできたアメリカ人の女性という権力のアンバランス(当然後者が弱い)

これらの指摘には最もだと思わせられる面も多い。とりわけ、メディアスクラムの酷さは、想像するに余りある。一方で、もう片方の当事者である王室メンバーの声はこのドキュメンタリーには含まれていない。そのことが、この作品を片面の声しか伝えないアンバランスなものとしている。HarryとMeghanだけの言い分で王室からの離脱という重大な結果の当否は判断できないというのが正直な感想。

一方で、マスコミが発達した民主主義社会のなかでの王室のあり方は、そのまま皇室をどう受け止めるかという日本の問題にも通じるものがある。眞子さまの結婚にあたり寄せられたバッシングの激しさは記憶に新しいが、国民からの親しみの感情を維持しつつ、皇室メンバーのプライバシーをはじめ基本的な人権をどう守っていくか、日本人としても避けては通れない課題だと感じた。