Roo's Labo

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脱年功序列②

本日朝刊より。

部長・課長、全て社内公募 パナソニックHD子会社: 日本経済新聞

兼務者も一部含まれるが課長職で約750、部長職は約200に及ぶ。この管理職の全てのポストを対象に、10月にも公募制を導入する。

公募制の導入にあたって役職ごとに必要なスキルや職責、処遇を明示する。具体的には勤務地や報酬のほか、担当分野で求められる専門知識、就任前に受ける必要がある研修内容などを示す。

社員は自らのスキルなどと照らし合わせたうえで、応募するかどうかを決める。現在、所属する職場の責任者などの了承を得る必要はない。職務を明確にしたジョブ型の人事制度を取り入れることで、キャリア形成の主体性や異動の透明性を向上させる。

かなりドラスティックな施策だが、今後の人事の方向性はこういう方向にあるのだろう。会社はポジションをオープンにして機会を与え、意欲と能力ある社員が応募し、マッチすればその職務に登用する。気になるのは、以下のような点。

  • どうやって適正な候補者を見極めるのか。過去の実績だけだと、年功に引きずられる恐れがあるので、コンピテンシー(能力)と実績の組み合わせか。
  • 期待した成果が出ない、部下のマネジメントができないなど適性がない場合にきちんと交替させる仕組みが作れるか。この点が担保されないと、なあなあで名目ばかりになってしまう。
  • 交替は、退職して社外に機会を求める人が増えることを意味する。その際不利益にならないように、あるいは社外から人材を採用しやすいように、企業年金をよりポータビリティが高いDBからDC型に替えることが考えられる。
  • 変革を組織全体として徹底できるか。意欲・能力ある候補者を抜擢しても、それが少数だと、組織の大部分は今までどおりの年功序列を維持するモメンタムが働く。それを打破するためにも、影響力ある、上のポジションから変えていくことが必要ではないか。

渡英2か月の変化

4歳の娘。渡英しておよそ2か月。はじめは、いつ東京の家に帰るのか気にしていた娘だが、最近大きな変化が起きた。会話の端々に英単語が混じるようになったのだ。リスではなくスクオロル(squirrel)、サルではなくモンキー、はいではなくイエスなど。今日にいたっては、となりのトトロで歌われる散歩の歌詞の冒頭をHey let's goと口ずさんでいて驚いた(どこで覚えたのと聞いてもはぐらかして教えてくれない)。慣れない外国で暮らす苦労、日本の教育から離れてしまうリスクはあるものの、この年代の脳の吸収力は際立っているようなので、できるだけ生きた英語をみにつけてほしいと思う。

 

久しぶりに欲しい時計

Tudorから小型(39mm)、日付(デイト)表示なしのダイバーズウォッチが出た。

www.tudorwatch.com

細腕の自分には、小型でデイトなしのダイバーズはまさにドンピシャの時計だ。一方で、昨年購入したSBDC101も気に入っている。

www.seikowatches.com

SBDC101もすごくいい時計だが、いかんせん重いのが玉に瑕。Tudor Pelagosの新作は、チタン製だけあって軽いといいのだが。街で見かけたら試着してみよう。

実機のレビュー動画はこちらから。実用・ツール感の塊で質実剛健な良さがある。これは欲しくなる。

https://youtu.be/t3C4Z_QIMLI

トーマス・グリタ『GE帝国盛衰史 最強企業だった組織はどこで間違えたのか』

メルカリ山田社長がブログで紹介されていたので読んだ。筆者がかなりGEに辛辣というか厳しいスタンスであることを割り引いても、衰退するべくして衰退した企業と言わざるを得ない。

 

非常にざっくり内容を要約すると、

  • 事業面では、金融(GEキャピタル)と製造業の両輪がGEの特徴であった。多岐にわたる製造分野は、アメリカ国民の生活を支える企業であるというよい企業ブランドの構築に役立った。しかしながら、デジタル化、製造業のサービス化の進展やコロナによる航空機エンジン市場の凍結等急速な環境変化の中で、製造分野は徐々に競争力を失っていく。
  • そうなると、「アメリカを代表する企業」として市場から安く資金を調達し、金融ビジネスの原資にするというモデルが成り立たなくなる。焦りを深めた経営陣は、利益を生み出す装置として、金融(GEキャピタル)への依存を深める一方、製造(発電タービン事業)は将来利益の先取りを会計上行うなど実力とは異なる利益操作に走るようになる。
  • こうした傾向は、企業文化の面からも歯止めがかからないどころか悪化を加速させた。すなわち、リーダーが独裁者として君臨したり(社用のプライベートジェットが複数飛んでいたエピソードが示唆的)、偉大な企業であるGEが間違えるはずがないというプライド・無謬主義がそれだ。

人事パーソンとして、こうした事態を防ぐため何ができるだろうか。ひとつには、みたくないものであっても現実を直視する一方で、本来あるべき姿を構想し、実現のために手を打てる人材を評価する(昇進、金銭含むインセンティブ付)とともに、そうした組織文化をはぐくむ仕掛けづくりを行う必要があると思う。

GEと言えば、人事界隈ではリーダーシップ開発で名高い企業という認識だったが、その認識も改めなければいけない(複数部門を短期で異動しながらリーダーシップ育成するプログラムも、本書では会計操作のてこにされたとして批判的に扱われている)。名門企業が崩壊と言っていい状態にまで至ったかのか、組織・人事に興味がある方は手に取って損はないと思う。

なお、かつて栄華を極めた企業がいかにして衰退したかは、以下の本にもまとまっている。

 

今週心に残った記事

 

タイメックス ナースウォッチ フランスケース こんなもんな時計好き - YouTube

恥ずかしながら、ナースウォッチの存在を知らなかった。こうしたお話を聞くと、時計は時間を知るというツールであるとともに、ストーリー(大戦中に献身的に仕事をする看護師の姿が浮かんでくる)でもあると思う。そして、時計に心惹かれるのはストーリーがあればこそだと感じる。

コーヒーと時計を一緒に撮影 その32~読者投稿記事~

時計と持ち主の間のさまざまなストーリーが垣間見えて面白い。

休暇に読書を―その4 Reader’s High。 - Executive Foresight Online:日立

経営学楠木建先生の読書論。テーマを決めて一気に読む読書、やってみたい。

脱年功序列

日本有数の大企業であるNTTが「脱年功序列」に動くらしい。

www.nikkei.com

年次にとらわれずに昇格できる制度を導入するとして、ポイントは評価基準の明確化と現場への浸透をいかに徹底できるかではないかと考えている。それがない限り、現場は今までと同様入社年次や評価者独自の経験・完成で評価しようとしてしまう。現場のマネジャーを助ける意味でも、改革をすすめるうえでは評価基準の明確化と現場への浸透を徹底することが大切だと思う。

 

二郎系ラーメン

二郎系ラーメンが食べたい。英国の食事は、醤油や出汁の味がないものが多いと感じているからか、体が濃厚で醤油の効いたスープを欲している気がする。先日日本に一時帰国した際、3、4件本家二郎を含むラーメン店を訪れることが出来、至福の時を過ごした。次帰れるのはいつのことだろう。最近では夢にまで見るようになったので、週末に自分で作ってみようかと思う。

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