Roo's Labo

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国際法判例メモ

以下のメモは筆者が大学院の勉強用に個人的に記載するもので内容の正確さを保証するものではありません。

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Ch. 4 The nature and interpretation of the ECHR rights and freedoms  

  1. Tyler v UK (1978) ・・・マン島での鞭打ちが体罰に当たるかが争われた事件。ECHRは策定当時の水準ではなく現在の欧州で受け入れられている基準をもとに解釈されなければならないというdynamic interpretationの考え方が打ち出された判決として有名
  2. Rantsev v Cyprus and Russia (2010) ・・・キプロス島にartist visaで入力したロシア人女性が売春に従事させられたあと命を落とし、父親がキプロス政府を訴えた事件。artist visaで実質的に女性を売春目的で入国させることをキプロス政府が黙認していたことを前提に、裁判所は4条(Prohibition of Slavery and forced labour)違反でキプロス政府に賠償を命じた。一方で、売春(の前提となる人員売買や移送行為)が4条のどこから導き出されるのかとして、理由付けの部分に疑問を呈する専門家もいる。
  3. Al Skeini and others v United Kingdom (2011)・・・イラク戦争に連合国の一員として参加していた英国政府軍が、イラク人を拘束した目的が不当であるとして訴えられた事件。国連(安全保障理事会決議?)が、明示的にそうすることを命じない限り、主権国会は国際人権法の義務を免れるものではないと判示した。