Roo's Labo

腕時計、ラーメン、読書、美術、ときどき仕事

憧れの駐在生活(と故障が絶えないロンドンの家)

ロンドンに駐在して3年半程になる、と書くと、さぞかし洗練された歴史と文化の都で充実した日常を送っていることかと羨望の目で見られるかもしれない。しかしながら現実は、冷暖房のないおんぼろ電車で1時間かけて通勤し、日々の仕事の大半は日本語で日本人相手の対応をし(英語力は駐在前より悪化している感がある)、日本人と仕事帰りに飲みに行く生活である。大前研一が住む場所と時間配分を変えると人間が変わると語ったとされているが、今のところ住む場所が東京から1万3千キロ離れても、特に性格や人生観に大きな変化は生じていない。

そんななかでも、「これがロンドン(外国)の特徴か」と思うところはある。ものが古いというのはそのひとつで、今住んでいるフラットは日本人が多く住む伝統的な住宅街にあるのだが、およそ築50年ほどは立っていると思われる。ただ、内装はリノベーションをしていてフローリングの床は清潔、壁は白く見た目はそれだけの年数が経過しているとは思えない。のだが、とにかく物が壊れる。入居してほぼ2年間の間に、以下のものが壊れた(多すぎて覚えきれないので、順不同に紹介)。

  1. カーテンレール・カーテンの崩壊(リビングの大きな窓を飾る巨大なカーテンがレールごとみりみりと軋みを立てて落下する)
  2. ストーブ(スイッチ部分)の爆発(発熱しなくなったストーブのスイッチを切ろうとしたところ、やけどしそうな熱さ。慌てて原電をオフにすると【ボンッ】という音と炎を出して故障した)
  3. ダイニングの照明4つが全部消えたかと思うと二度とつかなくなった(丸ごと交換した)
  4. 便座がよく見たら割れていた。なかなかぴったりくるものがなかったのか、替えてもらうのに1か月くらいかかった(型番という概念がないようで、近いものを持ってきてくれるのだがフィットせずに持ち帰ることが数回繰り返された)
  5. 洗面所が詰まって流れなくなった(中から流した覚えのない大量の紙類が発見)
  6. ボイラーが故障。シャワーを含め一切お湯が使えない生活が2週間続いた
  7. シャワーヘッドが故障し、水漏れが止まらない
  8. 風呂桶の故障(排水溝の蓋がはまって動かず水が流れなくなる)
  9. キッチン水栓が故障し、排水が流れずたまっていく(現在進行形)

この文章を書いている今も、キッチンの排水は流れず悪臭が続いている(窓を開けている。寒い)。管理会社に連絡すると数日でHandymanを派遣してくれるし、生活に致命的な支障が出ることは幸い今のところない(シャワーに入れないのは割と不便だったが・・・)。常に何かが故障しているので、壊れてもまあそんのものかと鷹揚な気分になるのは、海外生活の一つのメリットかもしれない。排水が流れるようになって余裕が出てくれば、ロンドン生活の良いところも紹介したい。

かの有名なオフィーリアの絵。イギリスにはこのように美しいものもたくさんある