Roo's Labo

腕時計、ラーメン、読書、美術、ときどき仕事

年末に見た映画の感想(ネタバレあり)

年末年始時間ができたので多く映画を観た。☆5つが最高。☆3つが面白かった。☆2つは自分には合わないというもの。

デッドプール (字幕版)

デッドプール (字幕版)

  • 発売日: 2016/08/12
  • メディア: Prime Video
 

☆☆(星2つ)

ターミネーター ニュー・フェイト』のティム・ミラー監督作品。自分にはあまり合わなかった。 序盤、高速道路でデッド・プールが宿敵を襲撃するシーンはスピード感にあふれ見どころがあった。一方で、ギャグにあまりあまり笑えなかったのと、デッド・プール誕生に至るまでの拷問シーンがエグく、全体のコミカルな感じと不釣り合いな感じがした。

 

運び屋(字幕版)

運び屋(字幕版)

  • 発売日: 2019/05/08
  • メディア: Prime Video
 

☆☆☆☆(星4つ)

クリント・イーストウッド監督。自身が演じる90歳になろうとする老人は、仕事にかまけて家庭を顧みず、妻や娘と疎遠になっているどころか憎まれてすらいる。そんな中、ふとしたきっかけで得意の運転を生かして麻薬を陸送することで、大きな報酬を手に入れる。得たカネを活かして地元の退役軍人会の活動を支援したり、孫娘の結婚式費用を賄うことで徐々に家族との絆を取り戻すも、操作の手が迫って・・・というストーリー。

観客としては、最後には老人は検挙され、いつまでもこうした違法行為を基盤にした生活は続かないことはわかっていて、いつ検挙されるのか、ドキドキしながらストーリーを追いかけることになる。結果として劇的な事件は怒らず、検挙された老人は裁判の最中に自身の非をあっさりと認め、服役することを選ぶ。戦争経験者である老人が、その一本気な生き様を貫くわけだが、最後まで緊張感を持って観させる監督の手腕はさすがだと思った。

 

パラサイト 半地下の家族(字幕版)

パラサイト 半地下の家族(字幕版)

  • 発売日: 2020/05/29
  • メディア: Prime Video
 

☆☆☆☆★(星4.5) 

ポン・ジュノ監督作品。外国映画として初めての作品賞を含む、アカデミー賞を4つも受賞したことで知られる。

 参考:「パラサイト」がアカデミー賞を受賞できた理由 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

坂の下の半地下で暮らす主人公家族が、身分を詐称して高台の裕福な家族に子女の家庭教師、運転手、家政婦として入り込んでいく。最初はうまく騙せていたが、ある雨の晩を堺にすべてが暗転していくというストーリー。

間違いなく傑作。前半の静的で秩序だった進行と後半の破局的な鮮烈さ、貧しい者(坂の下)と富める者(高台)・・・様々なものが完璧なコントラストで計算・構成されている。キャンプの晩、元家政婦が訪ねてきてから、豪邸の地下室を発見したシーンでは思わず叫んでしまった。貧富の差や韓国社会の立身出世主義に対する社会風刺的な意味合いもあるのかもしれないが、あくまで、エンターテインメントとして、整然と、わかりやすく、まとまり良く提示した完璧な「作品」。

 

ブレイン・ゲーム(字幕版)

ブレイン・ゲーム(字幕版)

  • 発売日: 2019/02/06
  • メディア: Prime Video
 

 ☆☆☆(星3つ)

短めで、あまり頭を使わない(失礼)な作品が見たいと思い選んだ。ロサンゼルスで起きた連続殺人事件の操作に、引退していた、未来を予知したり、物体の記憶を読み取ることができる凄腕の捜査官(アンソニー・ホプキンス)が取り組むが、犯人はアンソニー・ホプキンスを超える能力を持っていて・・・という話。

アンソニー・ホプキンスの存在感はさすが。ただ、ストーリー、映像とも特に際立ったことはないと感じた。捜査官の一人(ジェフリー・ディーン・モーガン)が、ウォーキング・デッドのニーガンにしか見えずに苦労した。。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド (字幕版)
 

 ☆☆☆☆★(星4.5つ)

クエンティン・タランティーノ監督作品。1969年に発生したシャロン・テート惨殺事件を背景に、落ち目だが再起を期す西部劇俳優(レオナルド・ディカプリオ)とそのスタントマン(ブラッド・ピット)、シャロン・テート()がそれぞれの日常を送る中で事件に巻き込まれていくまでを描く。

題材になったシャロン・テートの事件を知らないまま視聴したが、非常に楽しむことができた。ディカプリオ演じるベテラン俳優が、自らのキャリアに対する不安と必死に向き合いながら一場面ごとにベストを尽くす様子には胸を打たれる一方、どこかコミカルな趣もあって*1強く印象に残った。

一方、ブラッド・ピット演じるスタントマン*2は、終始自然体でリラックしているのだが、とにかくかっこよく、魅力的に描かれていると感じた。ヒッピーの集落でクルマをパンクさせてきた男をボコボコにするシーンには笑ってしまった。

2時間30分を超える作品だが、物語最終盤まで「事件」は起こらず、ディカプリオ、ブラッド・ピットマーゴット・ロビーの日常が淡々と進行するのだが、全く退屈しない。シャロン・テート役のマーゴット・ロビーが、映画館を訪れ自分の出演場面を他の観客がどう受け止めているか観察するシーンはとても可愛らしいものだった。

 

イングロリアス・バスターズ(字幕版)

イングロリアス・バスターズ(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

☆☆☆☆(星4つ)

クエンティン・タランティーノ監督作品。ブラッド・ピット演じる対ナチス特殊部隊と、家族をナチスに殺害されたユダヤ人の女性(メラニー・ロラン)がナチス首脳部の暗殺作戦に関わるさまを描く。

色んな意味で強烈な作品。クリストフ・ヴァルツ演じるナチス親衛隊大佐の怪演には引き込まれた。ブラッド・ピット演じる特殊部隊が本当にドイツ兵の頭の皮を剥ぎ、額にハーケンクロイツを刻む場面は日本人としてはドン引きしてしまう。クライマックスとなる劇場でヒトラーを始めとするナチス幹部をマシンガンで滅多撃ちにした上可燃性のフィルムに火をつけて焼き殺す場面からは、監督が本当にナチスドイツが嫌いなのだなという強固な意志が伝わってくる。

 

マルホランド・ドライブ (字幕版)

マルホランド・ドライブ (字幕版)

  • 発売日: 2020/08/25
  • メディア: Prime Video
 

 ☆☆☆★(星3.5つ) 

デビッド・リンチ監督作品。傑作と激賞されることの多い本作だが、自分には合わなかった。

 

 

*1:わずか8歳の子役に、「今まで見た演技の中で最高だったわ」と言われるシーンは白眉

*2:劇中ではスタントダブルとかっこよく表現していた。