パラサイトが面白かったので鑑賞。ポン・ジュノ監督。
☆☆☆(星3つ 面白かった)
在韓米軍が不法に投棄させた毒物によって、漢江に巨大生物が出現。河川敷で売店屋を営む主人公(ソン・ガンホ)は、父、弟・妹とともに怪物にさらわれた娘を取り戻すために奮闘するというストーリー。
いわゆる『ゴジラ』映画というか、怪獣が現れて人々がパニックに陥るというストーリーを期待していたのだが、本作は少しテイストが異なる。物語の序盤で、巨大生物が河川敷の人々をお相場面は確かにあるのだが、より本質的には、怪獣映画の姿を借りた社会風刺と家族の絆を強調する話なのかと感じた。米軍の不法投棄により巨大生物が生まれる描写や、存在しないウィルスを誤って検知して社会を不安に陥れたり(それに翻弄され、従うしかない韓国政府も批判的に描かれている)と、米軍は総じて批判的に描かれている(怪獣を倒すためとはいえ不釣り合いなほど広範に毒ガス兵器を利用する描写やそれに反対する人々もそう)。また、主人公の話を聞かずに官僚的に対応する韓国の警察や病院、公然と賄賂を要求する公務員も批判の対象になっている。そんな状況で頼れるものは家族だけとばかりに一家だけで果敢に娘の救出作戦を展開するも、主人公の父は命を落としてしまうし(あの作戦は必要だったのだろうか)、毒ガス兵器を食らってもなおラストシーンで物取りの少年が生存しているのも謎だし、主人公の妹が得意の弓矢を披露する場面も最後の最後までなかったり、急なコメディ展開とシリアス展開が混在したりしていて*1、一筋縄では観られない映画だった。
*1:救出作戦の最中一家で食事をする場面で唐突に娘のヒョンソが現れたのか謎