Roo's Labo

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増幅型リーダーになるために

前職時代、すごく仕事がしやすいと感じた上司がいた。自分自身が小さなチームをリードする立場になってみて、どうしたらその上司のもとで働いていたように、メンバーたちに感じながら働いてもらえるか、考える中で手に取ったのがこの本。

 

原題はMultipliers: how the best leaders make everyone smarterで、こちらの方が内容を直截的に表している。チームメンバーの能力を引き出し、チームとしてのアウトプットを高めるmultiplier(増幅型)のリーダーと、独善的,管理的に振る舞い周囲を萎縮、疲弊させるdiminisher(消耗型)リーダーを、豊富な実例をもとに対比していく。

本書のもとになった研究によると、増幅型リーダーには5つの側面がある。全部をあげることは割愛するが、自身が最も印象に残ったのが、解放者(その対極にあるのが独裁者)。解放者の定義は以下のとおり。

解放者は人々の最高のアイデアと仕事を引き出すような、緊張感のある環境を作り出す。その結果、メンバーは最も大胆で素晴らしいアイデアを提案し、最善の努力を注ぐようになる。

解放者は次のことを実践する。

  1. 居場所をつくる
  • メンバーを前面に押し出す
  • 話すよりも、聞く
  • 一貫した行動をとる
  • チャンスを平等に与える
  1. 最高の仕事を求める
  • 高い基準を守る
  • 結果よりも努力を求める
  1. 素早い学びのサイクルを生み出す
  • 失敗を認め、共有する
  • 失敗から学び続ける

失敗を許容するオープンな雰囲気を作りながらも、決して緩くはなく、規律あるチーム運営をするという文脈だと理解した。実戦のハードルは高そうだが、ある種体系化された方法論として参考になる。