Roo's Labo

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【本】マーケティングとは「組織革命」である(森岡毅)

『苦しかった時の話をしようか』に続く2冊目の森岡毅さんの本。

マーケティングとは「組織革命」である。

マーケティングとは「組織革命」である。

 

 明晰な論理と熱量に押され一気に読了した。内容は、企業にとって組織が重要な理由、そして組織を構成する個人がどう動くかという森岡さんの鋭く説得力ある観察が披露される。「人間は結局自己保存で(自己の保身と組織の利益を天秤にかけて)考えて動く」というのは、程度の差はあれ人間の真理をついていると思う。最後に、組織の中で(権限のない下の立場から)自身の提案を以下に通すか。論理だけでなく情緒にも念入りに配慮した周到な方法論が展開される。

読了後の感想はすごい本に出会ったというもの。また、「人事」という仕事をしている自分も、「マーケティング」を勉強してみようと思った。なぜなら、人事として、社内の人や組織に働きかけるものの、今まで、正直言って、どのような目的をもって、誰に対して、どのように働きかけるかという戦略的なアプローチを意識して実行したことが殆どなかった

本書を読んで理解する限り、マーケティングとは、「市場価値を創造する仕事全般」であって、そこには当然ターゲットとなる消費者が含まれる。(人事としての)自分の打つ施策や判断の先にどのような社員(擬似的な消費者)がいて、そこにどんな価値が生まれるのか、意識しつつ仕事をすることで、得られるフィードバックの量は格段に増えるはずだし、成長のスピードも高まるのではないか。