安倍首相が辞任を表明した。
私は専門家ではないので、この政権の政治的な業績について評価することは出来ないが、氏の政治姿勢でどうしても違和感が拭えないのが、意思決定のプロセスを蔑ろにしたり、説明を求められても拒むなどすることが多い点だ。全ての事柄について完全な透明性を求めることは不可能にしても、決定の妥当性を一定程度担保するためにも適切なプロセスを踏むことは重要だし、後から振り返って検証できるよう、文書にして残すことは必要だと思う。氏の行政運営にはそうした姿勢が（意図的なのかはわからないが）一貫して欠けているように思われ、そうした点が、政治の私物化・人柄が信用できないという批判につながったものと思う。
作家の塩野七生さんが、『ジュリアス・シーザー』の中で、危機の時には一人の指導者に国を託すこともあると述べていだと思うが、リーダーシップを発揮することと、プロセスを含めた説明責任を果たすことは別問題だ。
