Roo's Labo

腕時計、ラーメン、読書、美術、ときどき仕事

閉塞感

一週間の振り返り。

仕事ではかなりモヤモヤ感がある。理由として、自分は仕事を通じて少しずつでも世の中を良くしている感覚を持ちたいと思っている。それがやる気のドライバーとなることを自覚している(反面、地位や金銭といった報酬は(生活上必要ではあるけれども)強い動機づけ要因にはならない)。ところが現職では、自分が所属している組織・その中で自分自身が果たしている役割とも、会社業績の向上(会社の業績が上がれば、ステークホルダーの便益は向上し、少しずつ世の中は良くなっているという前提)につながっているという実感が得られない。無味乾燥な手続きや調べればわかることを代行して答えるような単純作業に終日を費やし、重要だと思えること(例えば今の仕組みを見直して効率化したり、今後予想される変化に対してどうあるべきか考える時間)を持つことができない。結果として、個人としても学び・成長はなく、組織としても知見が蓄積されることはない(のだが、海外駐在員が多い職場なので数年で彼らは入れ替わり、また同じことが繰り返される)。もちろん、組織の一員である以上、現状を受け止め、変えるように前向きな努力をする必要があることはわかっている。ただ、今は退職したスタッフの補充もなく業務をひたすらこなす状態が続いていて、上記のような本質的な課題に手を付けられていない。欠員が埋まれば、仕事の分担を見直し、考える仕事の割合を増やしていきたいと思う。

大学院(通信・ロンドン大学法学修士)

毎日24時まで仕事というような状態が解消されてきたので、平日1日、週末にスタディ・ガイドや教科書を読む事ができるようになった。かなり分の悪いかけをしてしまったかもしれない。国際法の知識もないなかで、法学の専門用語満載のテキストを読みすすめるのは時間がかかる。とはいえ、対策としては①勉強時間を確保する(スキマ時間でよいから毎日触れる)②日本語の資料を副読本として利用し、背景知識を増やす③単位認定に必要な試験の突破方法を過去問研究で会得する。事を考えている。特に③については、(国際法を専門的に学んでいる方には大変不遜な発言になることは自覚しているが)、基本的なロジックと裏付けとなる判例をどれだけ答案で再現できるかという部分が(表面的には)大事になると考えていて、この方針で知識を頭に入れていきたいと思う。

学科は違うが通信でロンドン大学修士号を取られた方のnoteを見つけた。この方も毎日勉強時間を確保されたことがわかるが、大変な努力をされている。

ロンドン大学通信課程での経験|RP|note

 

読んだ本など

www.netflix.com

夢中になって平日と週末で一気に観てしまった(全9話とイッキ見に適した長さと言える)。自称ドイツ貴族の御曹子であるアンナが、巧みな弁舌と美貌、芸術や美食に関する卓越した知識を駆使して自らの野望である芸術家たちの理想郷となるサロンをニューヨークの一等地に創り上げるため周囲のエスタブリッシュメントたちを巧みに籠絡していくというストーリー。実話に基づくドラマのようだが、詐欺の罪で逮捕され刑務所に収容されているアンナに、自分自身もかつて業界で成功する野心を持ちながらも、周囲の裏切りで挫折した過去を持つジャーナリストのビビアンが取材しながら語られる構成は、徐々に秘密が明かされる秀逸な倒叙形式になっていて退屈しない。アンナの野望は実現まであと一歩のところで頓挫するが、その遠因は彼女が「若く」「女性」であったとためと描かれる点がハイライトだと思った。ニューヨークのアート業界で成功するには、WASPの男性を中心とするクローズドな世界であって、実力を備えていても女性だからという理由で、(成人には不要と思われる)親の保証を求められる瞬間は示唆的だ。アンナが唯一心を許していたと思われる友人は黒人の若い女性でマイノリティだったりと、仕事(の成功)と性別・年齢・人種の問題など様々な奥行きで観られる物語だと思った。