Roo's Labo

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乗代雄介さんと圧倒的な量をこなすこと

日経新聞夕刊紙面に、「プロムナード」というコラム欄がある。作家や女優(今の執筆者は美山加恋さん!)が日替わりで登場するのだが、作家の乗代雄介さんのコラムは、毎週欠かさず読むようにしている。

何より文章が上手い。軽やかで読みやすくて(本当につっかえることなくすっと情景が入ってくる)、どうやったらこんな文章がかけるようになるのかと考えていたところ、月曜のコラムを読んで膝を打った。

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具体的にはぜひ上記コラムをお読みいただきたいのだが、中学時代から、およそ400万字、媒体を問わず文章を書いてきたという。検索によると文庫本一冊が10から12万字とのことなので、作家デビューするまでに文庫40冊!分のトレーニングをされたということだ。もちろん、闇雲に書けばいいというものでもないだろうが、「気に入った文章を書き写す」といった工程も含め上記の文字数のようなので、量が質に転化したということは言えるのではないだろうか。

少し前に、様々な分野で天才と呼ばれる人々が、10万時間その分野で練習を積んだという本が話題になった。真偽はわからないが、膨大な量を続けられるということ自体が一つの才能で、それはプロを目指す上では有効な方法論なのかと思う。

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自分は子供の頃から読書が好きで、いつか自分の本を出してみたいという夢を持っているのだが、400万字というのは気が遠くなる・・・。乗代さんいわくそこまで突き詰めなくても作家にはなれますとのことだが、本を出すハードルは低くないと実感した。