Roo's Labo

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コミュニケーションを絶やしてはいけない

今日は仕事でとても頭にくることがあった。あるトラブルについて、こちらの対応が悪いと名指しで非難されたのだが、過去の経緯・連絡の履歴を調べるとこちらに落ち度はなさそうだ。その点を指摘すると、お互いの誤解が解けてよかった、大事なのはこれから前に進むことだと相手はいう。もちろん、案件を前に進めることが重要なのだが、最初に大勢の前で不当なそしりを受けたモヤモヤは解消しない。一言謝罪があればよいと思うのだが、決してそれをしない(代わりに周囲の人と状況を責任転嫁する長文メールが続く)。

こういう時に思い出すのは、昔読んだ松本大さんの『私の仕事術』だ。冒頭で松本さんが、コミュニケーションとカンバセーションの違いを明快に語られていて、ハッとした。以来この本は手元にあって、折に触れて読み返している。関連する箇所を引用すると以下のように続く。

コミュニケーションとカンバセーションは、まったく違います。言葉を使うという点では同じですが、コミュニケートというのは、会話をすることではなく、目的をもって結果を出すことです。

自分の意志や考えを相手に伝え、理解してもらう、同時に、相手の言いたいこと、考えていることを取り出し、それを理解することです。

ちゃんと目的意識を持ち、お互いに真意をきちんと伝え、あるいは、受け取って、その上で何らかの結論を必ず出す、それがコミュニケートであって、単に会話をする、情報交換をするのは、カンバセーションなのです。

松本さんは他にも、たとえ分かり合えないとしてもコミュニケーションを取り合うことは、コミュニケーションを閉ざすよりずっと良いと書かれていた。今日のやり取りを思い返すたびに、決して分かり合えないと思うけれども、コミュニケーションだけは絶やさずに仕事をしようと思った。